【「超辛口」を信じたら、甘みで裏切られた】防長鶴 純米酒生原酒無濾過おりがらみ 超辛口 山田錦60|AIが1/5と読んだ甘さは、実際は中程度だった

「超辛口」という言葉は強い。

ラベルにそう書かれれば、身構えて口に運ぶ。

AIも同じ読みをしていた。

日本酒度を高めに見積もり、甘辛度を辛口側へ大きく振った。

 

AIは「かなりの辛口」と読んだ。

甘辛度は5段階中4.5、辛口側にほぼ振り切った数値だ。

自分が飲んで付けたのは「甘み中程度」。

ここで1つ、大きくズレた。

 

2026年5月5日、和酒処ひらいで開けた一本。

「防長鶴 純米酒 生原酒 無濾過おりがらみ 超辛口 山田錦60」。

山口県周南市久米、山縣本店が手がける。

 

ラベル情報だけを渡し、AIに味を推定させる。

実飲はそのあと、答え合わせとして行う。

SipLogはそれを毎回記録している。

 

今回、13項目のうち何が当たり、何が外れたのか。

 

はじめに

実際に飲むと、印象はまるで違う。

生原酒とおりがらみのとろみが、辛さの角を丸めていた。

 

この記事では、その答え合わせをそのまま記録する。

ズレは失敗ではない。

むしろ、記録する価値がそこにある。

数値と実感、両方の視点でたどってみたい。

 

この記事でわかること

  • 防長鶴 純米酒生原酒無濾過おりがらみ超辛口山田錦60の基本スペック
  • 実際に飲んで付けた13項目のテイスティングスコア
  • AIの事前推定と実飲、どこが合ってどこがズレたか
  • 合わせやすい料理と、飲むシーンの目安
  • AIの推定精度をどう読み解くか、その視点

基本情報

表ラベル
銘柄名防長鶴 純米酒 生原酒 無濾過おりがらみ 超辛口 山田錦60
蔵元山縣本店
産地山口県周南市久米

種別: 純米酒(生原酒・無濾過・おりがらみ)

使用米: 山田錦

精米歩合や日本酒度、酸度の細かな数値は手元にない。

ここから先はラベル情報を基にしたAIの推定値だ。

 

精米歩合は60%程度。

日本酒度は+8〜+14と推定された。

酸度は1.6〜2.0程度という幅だ。

 

アルコール度数は原酒らしく高め。

推定では17〜18%程度だ。

このあたりはあくまで推定値。

蔵の公表値そのものではない。

 

飲んだ日: 2026年5月5日

場所: 和酒処ひらい

価格帯: 〜1000円

また飲みたいか: はい

1000円に届かない価格帯だ。

生原酒・無濾過・おりがらみという情報量の多い一本。

気負わず選べる価格は、地酒の入り口としてありがたい。

 

純米酒に加え、生原酒・無濾過・おりがらみと条件が重なる。

造りの情報だけで、味の予感がふくらむ一本だ。

 

実際の印象は、このあとのスコアで確かめていく。

 

外観・香り・味わい

裏ラベル

グラスに注ぐと、うっすらと白く濁る。

おりの量がそのまま色に出ている。

 

無濾過らしい、やや濃いめの色調だ。

軽く揺らすと、澱がふわりと舞う。

生きた酒であることが、見た目からも伝わってくる。

 

香りは華やかというより穏やかだ。

中心にあるのは米・麹系の香り。

 

フルーティな要素は前面に出てこない。

爽やかさは中程度で、どっしりとした立ち上がりも感じる。

香りの奥にあったのは、ほのかな米のふくらみ。

 

口に含むと、まずとろみを感じる。

おりがらみ特有の舌触りだ。

そこに生原酒の力強さが重なる。

舌の上に、粒子のようなきめが残った。

 

甘みは中程度。

「超辛口」の表記から身構えていたぶん、この丸さは意外だった。

ラベルの数字と、口の中の感覚がふっとずれた。

 

酸味とフルーティさは、どちらもやや低め。

代わりに存在感を出すのが重厚感とうま味だ。

重厚感はやや高く、うま味は中程度。

味の骨格をしっかり支えている。

 

苦味も中程度で顔を出す。

渋味はやや低く、尖った印象にはならない。

 

刺激は中程度で、アルコールのボリュームを舌でじんわり感じた。

辛さというより、熱量に近い刺激だ。

 

後半、じわりと辛さが立ち上がってくる。

甘辛軸で見ると、キレ側にしっかり寄っていた。

余韻はスッと切れていく。

 

おりがらみのとろみ、生原酒の力強さ、超辛口のキレ。

この3つが、山口の地酒らしい輪郭を作っていた。

一本の中に、矛盾するはずの要素が同居している。

そこが、この酒の面白さだと感じた。

 

テイスティングスコア

実際に飲んで付けたスコアは、この後の「AI推定 vs 実飲」でまとめて示す。

甘辛軸(参考): 甘 ▯▯▯▯▮ キレ

数値を並べると、濃淡と重厚感が高めに出ている。

爽やかさは中程度で、突出した印象はなかった。

典型的な淡麗辛口ではなく、濃醇な辛口タイプだ。

甘みとうま味が中程度でそろっている点も特徴。

 

辛口でありながら、骨格はしっかり濃醇側にある。

この組み合わせが、全体の印象を決めていた。

グラフにすると、辛口方向のバーがわずかに長い。

それでも甘みの丸さが、全体の印象を和らげていた。

 

こんな場面・人におすすめ

淡麗辛口の定番だけでは物足りない人に向いている。

辛さの中にとろみとうま味がある。

その二面性を楽しめるタイプだ。

 

食事と合わせてぐいぐい飲みたい場面にも合う。

キレが良いので、脂の乗った料理でも後口が重くなりにくい。

 

食後にゆっくり杯を重ねる場面にも向いている。

甘みとうま味の余韻が、会話の合間にちょうどいい。

 

香りの高い吟醸系を期待すると印象が変わる。

爽やかでフルーティな酒とは方向性が違う。

穏やかな香りと骨太な味わいを求める人向けの一本。

 

一本で表情が変わる酒だけに、温度による違いも試す価値がある。

 

ペアリング

実際に合わせたのは刺身・天ぷら・だし巻き卵。

どれも山口の食卓に馴染む組み合わせだ。

 

刺身とはうま味同士が寄り添う。

辛口のキレが脂を洗い流していく。

天ぷらの油分にも、キレの良さが効いてくる。

 

だし巻き卵のやさしい甘みには、中程度の甘みとうま味が重なった。

違和感のない着地だった。

 

塩焼きや煮付けなど、瀬戸内の魚介料理とも合わせやすい。

根菜の煮物など、じっくり炊いた料理とも相性がいい。

うま味同士が重なり、味に厚みが出る。

 

冷や(8〜12℃)を基本に、温度が上がる変化も楽しめる。

 

AI推定 vs 実飲

項目AI推定(事前)実飲差
甘み低め(超辛口表記から辛口寄りと推定)🔵🔵⚪⚪ 中程度+2
酸味中〜やや強め🔵⚪⚪⚪ やや低い-2
フルーティ控えめ(米・穀物系中心と想定)🔵⚪⚪⚪ やや低い0
濃淡やや濃醇🔵🔵🔵⚪ やや濃い0
ふくよかやや高め(うま味・ボディ強め想定)🔵🔵⚪⚪ 中程度-1
爽やか中程度(生酒の微発泡を考慮)🔵🔵⚪⚪ 中程度0
香ばしい控えめ(穀物系アロマから推定)🔵🔵⚪⚪ 中程度0
重厚感やや厚みのある口当たり🔵🔵🔵⚪ やや高い0
うま味強め🔵🔵⚪⚪ 中程度-1
苦味軽微〜中程度🔵🔵⚪⚪ 中程度0
渋味弱い🔵⚪⚪⚪ やや低い0
刺激中程度(軽い微発泡を想定)🔵🔵⚪⚪ 中程度0
香り系統米・穀物系+フレッシュ+乳酸香米・麹系—
AI推定 vs 実飲 レーダーチャート
AI推定(赤・飲む前の予想)vs 実飲(青)— 12項目レーダー(1〜5スケール)

13項目のうち、フルーティ・濃淡・重厚感はほぼ一致していた。

香ばしい・苦味・渋味・刺激・香り系統も近い結果だ。

ラベルの情報だけでも、質感の方向性は読めていた。

香りの傾向も、大きくは外れていない。

 

一方で大きくズレたのは、甘み・酸味・うま味の3項目。

とくに甘みのズレが大きい。

 

超辛口という表記を、AIは強く受け取りすぎたと自分は見る。

日本酒度は辛口方向だった。

それでも、おりがらみのとろみが甘みを底上げしていた。

 

酸味とうま味は、逆方向のズレだった。

AIは生酒らしい酸と、強めのうま味を想定していた。

実際はどちらも中程度以下に収まっていた。

辛さとキレの良さの裏で、酸とうま味は控えめだった。

 

爽やかさが「中程度」まで振れたのも興味深い。

微発泡や生酒らしいフレッシュ感を、AIは加点材料にしていた。

実飲でも同じ中程度という結果で、想定通りだった。

 

数値上の設計と、口の中の実感はやはり別物だ。

総じて、質感の方向性はAIも捉えていた。

外れたのは、甘辛のバランスだけ。

表記の強い言葉ほど、慎重に読む必要がある。

 

まとめ

「超辛口」というラベルの言葉は強い。

AIも、その言葉に引っ張られていた。

でも実際に飲むと、甘みとうま味が土台にあった。

その上に、辛口のキレが乗る構造だ。

 

数値と実感のズレを知れたのは、飲み比べならではの収穫だった。

ラベルの言葉と、グラスの中身は必ずしも一致しない。

そのギャップを知ることも、日本酒を選ぶ楽しみの一つ。

 

価格は〜1000円。

また飲みたいか、その答えは「はい」だった。

山口の食卓に寄り添う、骨太な食中酒として記憶に残る一本になった。

 

SipLog(酒譜)は体験ログメディアだ。

飲んだお酒の体験を、AI推定と比較しながら記録していく。

今回のようなラベルと実感のズレも、その記録の一部になる。

酒は、記録するともっと旨い。

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